口腔機能は、食べることやコミュニケーションにかかわる重要な役割を果たします。口腔機能の低下を防ぐためには、口腔ケアが欠かせません。口腔ケアは単なるお口の清掃ではなく、人が人らしく生活し、あらゆる病気を予防するためのものです。
高齢者の「心身の健康」「良好な人間関係」そして「人生に幸福を見出す」「クオリティ・オブ・ライフ」を向上させる大きな役割をもっています。
無表情だった患者さん ⇒ 「食事がおいしくなった」と笑顔をみせるようになりました。
寝たきりであまり反応がなかった患者さん ⇒ 粘膜がピンク色によみがえりました。
誤嚥性肺炎を繰り返していた患者さん ⇒ 起こしにくくなりました。
口腔ケアを継続することで、食べる機能を向上させ、健康増進を図り、着実に延命に繋げています。
大分きずなハロー歯科診療所では、口腔ケア≒高齢者の自立支援と考えております。
患者様の健康を維持することが私達の喜びです。ご家族様、患者様と共に口腔ケアの重要性を理解し実行しましょう。
転倒予防と噛み合わせの関係
こんな症状があったら要注意!
転倒予防のためにも早くから口腔ケアを!
寝たきりになる最も多い原因は、転倒による大腿骨の骨折です。
自分の歯が少なく、転倒しやすい人も入歯治療をすることで転倒回数が減ることも実証されています。 正しい噛み合わせを確保しておくことで、バランス感覚を整えましょう。
「65歳以上で自分の歯がない人は、歯が20本以上残っている人に比べ、認知症になる可能性が1.9倍」である事が、厚生労働省研究班の調査により明らかになりました。
『認知症は歯がなくなるとおこりやすい傾向がある』 を踏まえて、身近な口腔ケアの意識をもう一度見直し、認知症を予防しましょう。
先ずは、訪問歯科医に連絡し検査を受けて、必要な治療を始めましょう。
認知症患者さんは明確な訴えをしないため、口腔ケアが疎かになりがちです。 歯磨きをしているような動作をしていても、実際には磨けていないことが多いのです。認知症が進行すると、治療するという認知ができなくなり、治療を拒むことが多くなります。
そうなる前に!
自分で食べられることは喜びです。
味覚・嗅覚・視覚、口の筋肉を使うことは、脳を刺激し、認知症の改善が期待出来ます。 顔の筋肉を使っての笑顔も増えます。
ご家族と共に、毎日の口腔ケア・リハビリを継続しましょう。
口腔ケアで、口の中を清潔に保つことで、2次的な病気の発症も大きく予防出来ます。
口腔リハビリによって、コミュニケーション能力を維持することも、認知症改善のカギです。
発語障害には、いろいろな原因が考えられますが、歯列・下顎・口唇・舌・軟口蓋(構音器官)の異常による発語低下を「構音障害」といいます。
口腔機能の大きな役割は、「食べる」「話す」ということですが、加齢による衰えで、話すことが困難になり、会話を諦めるケースがあります。
こうならないために、早目の口腔ケアを!!
重症だから発語出来ないと、あきらめないでください。
「口腔ケアとリハビリ」+「全身機能管理」+「栄養管理」+「バランス生活」が重要です。 ご家族と私達、医療関係者がパートナーとなり、患者様の発語、摂食機能をとりもどしましょう。
口腔内菌が原因で発症しやすい病気の予防
口腔内の細菌の増殖を防ぐには、先ず、口腔内の清掃です!
嚥下障害とは、老化などで、口腔機能が低下し、飲食物の咀嚼や飲み込みが困難になる障害をいいます。
通常私達は、咀嚼した食物を舌を使って咽頭へ送り飲み込みます。その時、喉頭蓋で気管へ蓋をし、飲み込んだ瞬間だけ開き食道へと送り込みますが、神経や筋肉に何らかの障害が生じ、食べ物や唾液が気管に入りこむことがあります。
誤嚥性肺炎はどうしておこるのでしょう。
高齢になると、口腔機能が低下し、食事による栄養が偏りやすく免疫力が低下しがちです。 唾液の分泌量が減ることにより、自浄作用も低下します。
口腔内に歯周病菌が増殖
誤嚥(嚥下障害)により、細菌の増殖した食べかすや唾液が肺に入る。
肺炎
とも深くかかわっていることが判明しています。
『口腔ケア=様々な疾患予防』
『口腔ケア=誤嚥性肺炎の予防』
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歯科医師 荒城智世 児玉真央奈
歯科口腔外科専門医 近藤理江